2023年3月27日におこなわれた、THE SECONDノックアウトステージ32→16 AブロックBブロックの観覧に行ってきた。
以下、ライブレポというよりレア体験備忘録(もちろん機密保持等に抵触しない程度に)。
観覧抽選について
- ノックアウトステージの観覧客については、茅場町ほかで開かれた選考会(一次予選:130組超→32組)の観客からの希望者抽選だった。
- 私は初日の2回分の選考会に行ってきて、それぞれで観覧応募用紙に申し込みをしてきて、それが観覧に当選した形。
- 選考会は全部で東京6回大阪2回の合計8回で、ランジャタイとか人気高い芸人が集まって完売になった回とそうではない回があったので、均すと各回に客は100人ぐらいな気もするが、会場キャパ的には埋まったら300人超とかなので、案外1,000~1,200枚ぐらいは捌けていたのかも。
- ただ、その中でさらにまた、平日のノックアウトステージの観覧希望となると、実際の希望者は8割ぐらいとかになるのかなあ。
- 結果から言うと、観覧客は各回100名(+予備に若干名)という感じだったので、32→16ラウンドの観覧回数が計4回と考えると当選者は400名で、大体50%ぐらいの確率の当選率だったのではないか。
- 大阪のお客さんの東京への観覧希望は低そうな気がするので、東京組で考えるともうちょっと、案外60~70%ぐらいは当たったのかもしれない。
- ここでお目当ての芸人さん的なことを述べると、特に好きなのは東京ダイナマイト、マシンガンズ、金属バット。
- ほかにも虹の黄昏、レイザーラモン、プラスマイナス、イシバシハザマ、囲碁将棋、なすなかにし、ランジャタイ、スピードワゴン、三四郎、ダイノジ、ロケット団、Hi-Hi、テンダラーなんかも好きで、割と主義と節操のないお笑いファンである。
- ちなみにいまのところ今年ベストライブはFROLIC A HOLIC武道館。
初のテレビ局観覧
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恥ずかしながら初のTV局での観覧だったが、大人の社会見学な気分だった。
- 観覧応募にあまり興味なかったし、応募したとておっさんって声質的にまず当選しないから。
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通路からスタジオまでの移動の間、おーこれがセットかー!ここが大道具搬入口か?!とか、なんか昔めちゃイケの局内取締りコントでここ使ってた気がするなーとか、ここを片岡飛鳥さんも歩いてたのかなーとか、子供みたいに感動したw
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しかし引率する局員の人も大変だ。
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何しろ一回、観覧客100人超もいたので、これがこの番組に限らず収録ごとに毎回だと中には困ったちゃんもいるだろう。
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局員の方(まあ制作会社なのかわからんが)は接客業ではないので当たり前だが、なんか緊張感のある誘導だった。
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とは言え、ワンタイムな素人100人の引率なんて全然ウェルカムではないのはわかる。
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ちょうど橘玲さん「バカと無知」を読んでいて、余計にそう思う。
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そういや昔読んだTV番組制作のエピソードで「視聴者はマジで、そこまでしないとわからないかぐらいの大バカと思って番組作れ」というのがあった。
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もしそれが本当だとしたら、多少素人への色眼鏡はあるのかもしれないなーとも。気のせいか。
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そういやお笑いライブにはそれなりに行くので、中には高倍率ライブでの電子チケット制とかもあったけど、今回初めてちゃんと身分証明の提示を求められた。
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お笑いライブだと事前に身分証明云々書いてても、まずチェックされることないが、まあ素人を局内に入れるんだしコンプラ大事だしでその辺はさすがにちゃんとするのだろうな。
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事前に届いた案内メールでは「集合時間の5分前で大丈夫です。席は先着順ではないです」との事前案内だったが、結局席は先着順に案内され(番号付き整理券をもらう)、たまたま早く着いたので超いい席だった。
※これはちょっと聞いてたのと違うというのはありそう。まあでもそこまでやるとまた誘導に時間かかっただろうな。
観客審査の話
- 集合場所で観覧客の照合が終わったタイミングで、コアスタッフっぽい方から今回の観覧が観客審査であることを伝えられる。そして1~3ポイントの3択で審査をする旨も伝えられる。
- 一気に緊張感が沸くも、あまり硬くならず、大いに笑ってください、とのこと。
- その辺は普段の賞レース予選に行くときも同じだ。変に審査ぶらないこと。
- それでいて、芸人さんは人生かけて臨んでいるので、ファン投票にならないよう、真剣に審査してくださいとも伝えられる。
- もちろん言うまでもない内容だが、逆説的な話で、これを聞いてほしい人にほど伝わらないだろうなとも思うw 難しいですな。
- 観客審査については、去年行った「THE CONTEへの道(特番THE CONTEの若手枠1組を選ぶ予選)」もそうだったな。
- 20組ぐらいコントを観て、面白かったベスト3を挙げる方式(最近のお笑いライブの感想フォームはGoogle Formの使用率が高い気がする)。
- あれも、有楽町よしもとシアターだったがフジテレビ主催だったな。
- しかし終わったのちに振り返ってみると、133組の選考会が、おそらく放送作家やPかDの有識者審査で、2次にあたるベスト32ノックアウトラウンドから観客審査というのも不思議に思った。そういうもんか?
- そして、本日Aブロックの第1対戦であるスーパーマラドーナ対2丁拳銃の漫才が終わり、結果発表がされてからである。
- おもむろに「では**番の方、スーパーマラドーナに*点、2丁拳銃に*点をつけてますが」と、番号で個人指名されて評価点開示のうえで感想を聞かれる(!!)
- 素人である観客に、採点理由に相当する感想を聞くというのはなかなかシビれたw
- スピードワゴン井戸田さんや三四郎小宮さんらが、お客さんに聞くの要ります?と疑問を呈していた。
- 私も最初の人にコメ振りされたのを見て、これはやべえな!と思ったが、平日の日中からのこのこ有料のお笑いライブ(しかも演者は決して旬というわけではない)に出かける程度に奇特なお笑いファンとして、コメ振りされたら、大会のちょっと端の部分ではあっても、背負ってもいいのではないかと思った。
- ただこうなると、まともに主体的な審査はせずに「3点・3点 両方とても面白かったです」みたいな逃げ審査が無難なのかもしれないけど、そんなの素人に審査させてる時点で、プロの有識者評価ではないというのは折り込み済みなのだろうから、あくまでファン視点での気概というか何らかの一家言はあっても別にいいのでは。
- そういう意味で、大会運営側がお笑いファンに託したという解釈もできる。それはそれで価値のある試みなのではと思う。(後出しみたいな形はよくなかったかもしれないが)
- 炎上リスクについては、そもそも配信はあれどアーカイブはないし、もちろんこんな素人コメントが放送・収録されるはずもないし、SNSアカウントや個人情報を特定されることもなかろうし、実はそんな畏まる必要はなかったかなと。炎上を恐がりすぎ。
- まあ狙いとしては、そういった演出というよりは、変なワーキャー的ファンが贔屓芸人に3-1とか極端な評価をすることへの予防の意図があったのかなーと。
- でもどうだろう、そんな信者信者したファンは元々いたのかどうか。まあでも結果僅差の試合もあったので、万が一のことを考えての措置としてはあってよかったのでは。
- ただ、私が観た全4対戦の結果を均すと、1点(面白くなかった)をつけた人って、100人中10人ぐらいなのかなと思うものの、もし今回みたいな客への質疑応答がなかったらもっと振り幅あったのかというと、そうでもなさそうな気もする。
観客審査について②
- 観客審査(というかコメ振りの方か)はTwitterではとかく不評のようだが、しかし客審査と言えばNHKオンエアバトルで、今となってはお笑い論周りでは、浅い客への浅い笑い指向にした功罪ある番組、という歴史的評価で固まってしまっている気がする。
- でもこのTHE SECONDをオンバトと比べると、お金払って平日の日中にお笑いライブにのこのこ行くような人からの抽選だから、無作為に集めた一般視聴者やテレビが好きなだけの無料の観覧客とは層がだいぶ違うのではなかろうか。オンバト曰くの「テレビの前のあなたたち」からはもっと高濃度というか。
- ただ、芸人って一般人からのネタ評価を異常に嫌う印象がある。
- でも映画でも本でも音楽でも、エンタメというのはやっぱり、良かった/悪かったの評価はどうしてもあるわけで、なのに、こと芸人のネタとなると素人の御意見無用!となるのはちょっと前々からほんのり違和感はあった。
- 一方で暗黙的な理由はわからなくもない。ネタって本人から独立した作品というよりも、個人的属人的過ぎるからだ。だから悪く言われると非常に「食らう」ことになる。
- そこの配慮に関する言及もTwitterで観た気がする。確かに芸人リスペクトフルなABCならやらないような。
- まあそのあたりは「評論」として、まだジャンルが成熟してないというのもあるのだろうな。床屋談義レベルというか。もちろん私も。
- あとは自分と異なる感覚のコメントの類だけど、もし自分が好きな芸人が対決で負けて、コメ振りされた観客に低い点つけられた理由が納得できなかったら、確かにショックだと思う。
- 「コイツわかってないな!」「センスねえな!」「審査ポイントそこじゃないだろ!」「皆目見当違い!」とか思っちゃうのかもしれないw
- でもその、自分と異なる別意見の存在を認めることこそが多様性なのではなかろうか。自分と同じ意見しか認めないではなく。まあそれも無限にメタ化のスパイラルに陥っていくが。
- なので今回ぐらいのハードル(予選有料参加客)を経ての客審査は続けてほしいかなーと思った。ただTwitterだと反対意見も多いので、運営にその胆力はあるか。M-1との差別化をはかれるかに注目したい。
自分の採点について
- 採点で言うと、私は結果的に各対戦で同点がなく、それぞれ1点差のついた採点となったが、私が多くつけた4組中3組が敗退したので、今日の客層的には、私は大分逆張りな客であった。
- ハインリッヒ対スピードワゴンのネタは、コメント振られたら「6分+6分の12分間、何を見せられてたのかわからなかったですw」とボケたかったw
- そういうのがよくないのだろうな。
- 流れ星の学級会風ケンカのネタは、去年のG-1やTVやライブで何度も観たので、さすがにもういいだろう感があった(それいっちゃプラマイもそうか)。
- ただ、G-1の話はさすがに禁句だろうなw
- 三四郎も全然好きなんだけど、今回はタモンズの方がパンチ力あったかなーと思う。あと最後結構派手にハズしてたので。
- 評価基準について、事前には「たくさん笑ったら普通に3点を入れてください」的なことを言われたし、MCトレンディエンジェルのお二人も、基本3点入ると思っていたみたいで、全般的に点数が低い(審査が厳しい)ように感じていたようだが、真面目に審査(タイマンでノックアウト形式)しようとする人なら、よほどじゃないかぎり1組目は2点が基準になってしまわないか。
- それとも、素人が生意気にも先行側に対して、M-1の1組目90点みたいな基準点ぶってんじゃないよという、ちょっとした蔑視もあったりしてな。
- そのあたり点数についての感触はいろいろ予想外なところもあったみたい。
- が、総じて「1」をつける人が少なかったのは、今回の観客が概ね良識あるお笑いファンの皆さんだったということではなかろうか。第一回M-1 2001の、おぎやはぎ大阪一般投票事件的な感じは起きなかった。
- それ以外にも、32→16ラウンドの他のブロックでも、総じて、え?明らかに審査おかしくない?という偏った結果にはなっていないと思うので、そうなると観客審査で十分よかったのではなかろうか。
- コメントもよかったと思う。「タモンズもっといいネタがあったはず」とか「プラマイと流れ星は強すぎてこのラウンドで当たるのもったいない」とか、収録はされないだろうにしても、撮れ高に寄与する良コメントだったのではないかと思う。
- と考えると、あらかじめ観覧前に対戦カード確認して、当てられたときのコメントを食っておくぐらいはしておいてもいいかも。そうすると多少リラックスして漫才観れるのではなかろうか。
その他の観覧の雑感
- 前説のくらげが抜群に面白かった。くらげは何年か前にM-1の3次予選で観てから結構好きだが、M-1決勝行ってほしい。
- たまにくらげ面白かった的なツイートするといいねしてくれるので、なんか近めで見れて感慨深かった。
- そういや前説から配信開始みたいで、そのあと改めてはいどーもーと大会開始という流れだった。前説の意味とはw
- 一次予選のあの歌(MCRWへの道)がまたエンドレスで流れないのはよかったw
- 出席確認&次のラウンド観覧希望者用の紙を回収していたが、筆記用具貸してほしいw
- 結局中休み中にフジ内ローソンでボールペン買った。
- 小室アナ、「THE CONTEへの道」でも観たかもしれないが、顔小さいし超美人だった。あれは妖精。
その他の雑感
- さすがに次ラウンドは当たらないと思うので大会向けの感想。
- やっとM-1が終わっただろうに、見方によっては終身懲役みたいなしんどい大会ではあるけど、やっぱり面白い大会だと思う。運営の皆さんに感謝だし、がんばってほしい。
- 結構芸人の皆さん、普段の寄席や営業でかけ続けた鉄板のアリネタが中心だったが、来年以降はちゃんと大会向けに新調したネタを準備しないと勝てない大会になるのではなかろうか。
- いや、面白いネタって何回観ても面白いんだけど、とは言え的な。どうなるのだろうな。
- 大会の方向性って、やっぱ1回目のチャンピオンが誰になるかは結構影響力が大きい気がする(やはりM-1は中川家の優勝が大きかった)ので、あんま良い見方ではないが、誰がTHE SECOND 第1回の優勝にふさわしいかはとても気になる。
- まあなんにせよ、芸人の皆さんが「今回ので大体流れわかった!来年は優勝するぞ!」と燃え上がってくれるような大会になるといいなあと思う。