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ホライゾン・ゼロ・ドーンをクリアした

ホライゾン・ゼロ・ドーンをクリアした。めちゃ満足した。2017年10月ぐらいに買っていたようで、それから実に3年近く寝かせた挙句、ちょっとだけ遊んでまた半年放置してから、やっと本腰を入れて遊んでクリアに至った。(2021のGWは無料配信で遊べるそうですが)

 

 

 

ステルスアクション

JRPGライクな、正面から殴り合いで倒して進むのに慣れていると、序盤は結構面食らう。単純な対面での殴り合いになると、敵である機械の獣の方が強いので、結構その辺の感覚が慣れるまでかかった。それがステルスアクションというものらしい。


懐かしのメタルギアソリッド(ちなみに私はPS2MGS2以来だ)のように、相手に察知されないように倒すことになる。

具体的には、

  • 敵に感知されない遠距離から、遠距離弓矢を使って倒す
  • 敵に感知されない草むら(ところどころにある)に指笛で誘い込んで、クリティカル近距離攻撃で倒す
  • 半分ぐらいの敵は決まったルートを巡回するので、その経路にワイヤートラップをしかけて倒す
    ※暴走族のルートに針金仕掛けるような感じだ(犯罪)

こんな感じで、もし感知されたりすると諦めて殴り合いするなり、逃げたりする。

 

メタルギアソリッドのようなステルスゲーは神経使うので苦手だったが、楽しくなってくるのは、しばらく遊んで敵の感知範囲、気づかれる距離だったり、角度だったりを把握できてからだ。

 

例えばサイレントキルにしても、どこまで近づいたら気づかれるのかがわからないとドキドキするだけだが、草むらに隠れてると触れてても気づかれないぐらいまでOKなんだなとわかるので、そういった感知範囲を把握して以降は楽しかった。

 

 

 

ポストアポカリプスSFストーリー

メインストーリーもなかなか説得力を感じる、重厚な内容だった。

公式サイトのストーリーにもある通り、本作は現代文明が滅んで1000年経ったあとの話なのだが、背景としては、
 ①自動制御機械を作る企業ができて、大躍進した(うまくいったテスラみたいのものか)
 ②当初は家庭用のサポートマシンを製造していたが、軍事用にも進出した。
 ③最終的には軍事用機器に対し
  ・有機物を取り込んでエネルギー化する機関
  ・敵対マシンへのハッキング機能
  ・製造管理拠点(マザーマシン)による自動製造と動的な設備配置
  これらを開発、パッケージング化して世界中の国家、営利組織に販売し、大変な利潤を生んだ。
 ④バグによって機械群がマザーマシンごと人間に敵対するようになった。

 

AIやクラウドコンピューティングといった、それらの基盤となる技術が当たり前になってきた昨今でも、さすがに2030~2050年ぐらいにこうした事象が起きるとは考えにくいが、大雑把な方向性的には結構説得力あるストーリー。紛争地域で使われているとか、ドローン脅威論もたまに目にするし。

 

私の好きなマンガ「ぼくらのよあけ」では、近未来で「オートボット」と呼ばれるAI搭載マシンがルンバが進化したような万能サポーターでかわいらしく描かれていたが、確かにあれだけの技術力があれば軍事転用の可能性はいくらでもあるよなーと思ったりなんかした。

 

シンギュラリティ観点としては、あと、自動で活動のためのエネルギーと、製造のための資源(収集まで)をまかなえればよいのかなと思うが、作中のような2050年とかは無理でも、3000年ぐらいにはなんとかなっていそうな気がする。

 

ただ、翻訳がどうもイケてないというか、雰囲気を楽しむのが辛い場面が多い。特に序盤はその辺の雰囲気に慣れるまで辛い。進歩の過程にある未開民族たち的な世界観なので、あえて翻訳をそうしてるのかもしれないが、結構クセがある。

 

ともあれ、ストーリーはやっぱちゃんとロジカルにできているというか、精神世界の話に逃げないところはよかった。なんかうまく言えないけど、DQ10とかFF10の途中であったような、頭の中で展開するような雰囲気メインの話とかは、ちょっとやっぱプロットにおける逃げ感(意外性があって、かつ、説得力のあるプロットを思いつかなかったからじゃないの?だから考え方次第で何でもありな観念世界に逃げてない?)が強くて私はあんま好きになれない。

 

 

 

クリアしてみて

ビジュアル面は非常~~に美しい。ゼルダBoWは結構影響受けていたのだろうなーと思ったら、両者ほとんどリリース時期が変わらなかった。ゼルダのトゥーン調も好きだったけど、本作の写実感も没入感高い。敵が多くてあまり風景をゆったり楽しめなかったが。

 

戦闘も楽しかったものの、中盤以降に出てくる大型機械は結構時間がかかるようになってしまったので、後半1/3は難易度をNormalからStory(一番楽)にしてヌルく遊んだ。難易度変更の際にはリロードとか面倒なことがなく、オプション設定で一発なので助かった。

 

その難易度は何が違うのかなと思ったら、本当に攻撃力と守備力に係数かけてるだけだった。要は5発当てないと倒せないところが1発で倒せる的な。逆に、それだけで難易度が大きく違うので、そう考えるとゲームバランスってほんとにただの数値でしかないなーと思ったりなんかした。大体90時間ぐらいでクリア(バヌークの像や鉄の花など収集物は概ね集めてサブ/サイドクエもコンプした)できたものの、Normalのままだったら1.5倍ぐらいかかってたかも。

 

 

 

まあとにかく、ディストピアSFオープンワールドゲーとして、大変愉しめた。そういやゼルダも世界崩壊後のディストピア世界観だったな。もちろんオープンワールドゲームってそういう設定ばかりではないだろうけど、RPG系ゲームってそれなりに絶望的な状況からはじまるもので、例えばドラクエ2だって魔王ハーゴンが復活して、ムーンブルクが滅ぼされたときからはじまるし、FF4やFF6も悪い帝国の脅威が最初に描かれたりする。オープンワールドゲームの場合、その没入感のせいで、その辺の絶望感の迫り方が強いのかもしれない。

 

年とってくるとどうしても可処分時間が減ってくるから、作業感強めだったり、ストーリーがシンプル過ぎたり複雑過ぎたりするのはちょっともう食指がのびなくなってきてしまい、もっと、より「ゲーム体験」として良質かを気にしてしまうが、本作は本当によいゲーム体験をさせてもらった。

 

とはいえ今年2が出るらしいが、ちょっともうおなかいっぱいなので当分遊ばないと思う。作業感ってほどではないけど、やっぱやれ採集だやれサブクエだと、ボリューム感がすごいんですよね。

 

それにしてもこういった、いわゆるAAA級の大作オープンワールドゲームは海外メーカーじゃないと作れなくなってるのが寂しい。開発費用がどれぐらい違うのかを知りたい。